アニマル・ウェルフェア〜日本はまだ欧州と比較すらできない〜

 

「アニマル・ウェルフェア」という言葉を日本語訳しようとすると、

「動物愛護」「動物福祉」などが適当なのかと思いましたが、微妙に違うようです。

アニマル・ウェルフェアは animal welfare でしかない。

その意味を表すキーワードとしては、「自然行動」「快適性」、動物の視線に立つという事が重要で、日本特有の「かわいそう」という意味が含まれがちな人間目線の「愛護」という感覚とはちょっと違うようです。

 

ANIMAL WELFARE SUMMIT 2016へ行ってきました。

 

 

参加したのは「アニマル・ウェルフェア講座」

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登壇者は、左から

滝川クリステルさん(フリーアナウンサー)

藤田りか子さん(スウェーデン在住の動物ライター)

アルシャー京子さん(ドイツ在住の獣医師)

 

講座はアニマル・ウェルフェアの基本である「5つの自由」から話が進められていきました。

1.飢えと渇きからの自由(解放)
2.肉体的苦痛と不快からの自由(解放)
3.外傷や疾病からの自由(解放)
4.恐怖や不安からの自由(解放)
5.正常な行動を表現する自由

これは犬や猫などのいわゆる愛玩動物だけではなく、食用として飼育される家畜なども含めすべての動物に適用されます。

欧州ではこれらの基本的な考えが根本にあり、一人一人の意識が総じて高いのですね。

ドイツにはティアハイムという保護施設があり、動物を飼いたい人はその施設に通い、じっくりと考える時間を持ちます。

スウェーデンのブリーダーは、厳しく管理されていて安易に繁殖させることはできず、また安易に飼うこともできません。

法律もきちんと整備されているのです。でもそれは法ありきではなく、国民の高い意識の結果が法に反映されているのだという事でした。

 

 

サミットの会場では、一般の方からこんな質問がありました。

地方で動物のボランティア活動をしている方が、行政の担当者から言われた事、

日本よりも欧州のほうが動物福祉の意識が進んでいるという事はない、欧州は殺処分がないと言っているが実は銃で殺す事もあり、また、狩猟で他の動物の狩りをしている。

という意見に対してどうなのか?という質問。

登壇者の回答の一部は、

生きている間は苦痛を与えない。そして、やむを得ず殺す必要があるときは出来る限り苦しめる事なく殺す。欧州においては「銃で殺す」というのが苦しみが少ない方法として認識されている。

日本人の感覚としてはちょっとショッキングなお話でした。

 

確かに二酸化炭素による数分間の窒息死に比べると、苦しみの度合いはかなり違うのでしょうけれども、そもそも人間の手によって殺すという事自体がタブー視されている日本とは「割り切り」の感覚もかなりかけ離れている様に感じました。

 

ただ、僕が思ったのは、

 

そういう、欧州と比較するような議論ができるレベルに日本はまだ到底追いついていない、と言うことです。

 

今現在も実際に悲惨な環境で繁殖させ続けている繁殖業者がいて、

それを流通させるためのオークションというシステムがあり、

あまり深く考えず、安易に購入してしまう消費者がいる。

 

アニマル・ウェルフェアの「5つの自由」を一つ残らず否定するような環境で一生を終える動物が今の日本にはどれだけいる事か。

 

何よりもまず、今の主流となっている生体販売システムをなくす事。

そして動物を「お店で買う」という事が不自然なのだという意識を一般の人が広く持つこと。

 

そうならなければ、とてもとても欧州と同じ土俵で比較、議論はできないでしょう。

 

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